satdec312011

大晦日。今年は本当にいろんなことがあった一年だった。アラブの春とか、Occupy Wall Streetとか、ユーロ危機とか、世界は激動してた。ビン・ラディンもカダフィ大佐も金正日も死んだ。

日本では東北地震。いつまでも止まらなかった揺れ。まるで映画のCGのようだった津波の映像。そして原発事故……。人命より既得権益を優先するこの国家が想像以上に終わっていたことに絶望したな……。

個人的にも激動の一年だった。結婚、娘の誕生、転職。これらにともなって役所の手続きやら親戚付き合いやら、やらなきゃいけないこと、「しがらみ」も増えた。おかげでちょっと大人になれた気分。

やり遂げたこと、やり残したこと、たくさんある。最大のやり残したことはあるモノを書き上げられなかったこと。これは来年早々にも完成させたい。あとバンド活動もあまりできなかった。来年はもう少し活発に活動しよう。

来年も騒々しい一年になりそうだ。では良いお年を。

体重:77.0kg
体脂肪率:19.7%

fridec302011

今年も残すところあと一日。今夜は「今年やり遂げたこと」と「今年やり残したこと」を一人でじっくり振り返ろう。

で、なによりまず太った。高校時代からずっと72kgをキープしてたのに、タバコをやめた三年前から着実に体重が増えてきてはいたが……腹がキツい。さすがにこりゃまずい。職場の人の勧めにより「レコーディング・ダイエット」をはじめようと思う。目標はやはり72kg!

てなわけで……

体重:78.7kg
体脂肪率:18.4%

weddec282011

赤ちゃんの予防接種は大変だ。スケジュールとか。まぁ、オイラは付き添っただけだけど。

奥さんの友達が我が家に遊びにきてくれた。娘は外面の良さを発揮してニコニコしてた……(-_- ;

で、ゴハンまでつくってくれたんだけど、これがまた美味い! 奥さんには悪いけど料理はセンスですね……。

ピザもたのんだんですが、三人でもLサイズはデカかった。

tuedec272011

楽しい夢を見る。でもそれは現実ではない。あの方はワタシの人生に決定的に影響を与えた方。ワタシが死ぬまでワタシの中に存在しつづけるのだろうな……。

午前中に家事の諸々を片づけて家族三人で蒲田にお買い物。娘はいつものようにガン寝。ワタシはユニクロにてジーパンや靴下を買った。

そのあと、友人との二人忘年会のために大塚へ。しかし痛恨の山手線人身事故! 外回りのみなんとか復活したがメチャ混み! 途中、目白駅に停まったとき内回りの電車がブルーシートに囲われてて、思わず「うっ」と声を出しちまったよ。

大塚の「伊勢元」という居酒屋へイン! カウンター席とテーブル席ふたつという狭い店内は常連客とおぼしきオッチャンたちでほぼ満席。なんとかカウンターに座り目当ての「下町ハイボール」を注文。

舶来モノがまだ高価な時代、(ウイスキー)ハイボールを模した焼酎ハイボールが生まれた。ゆえに本来の酎ハイは琥珀色でなければならないのです!(キリッ!

正直、味はわからなかったけどガツンと酔っぱらった。

その後、ブクロに移動し「やきとん豊田屋」へ。そしたらコータロー君と第三種接近遭遇! これで二度目だ! しかも同じこの店で! しかし声なんてかけれません。でも、もしまた遭遇することがあったなら今度こそは三度目の正直ということで声をかけよう! そう誓って店をあとにしたのでありました。

シメは「環七土佐っ子」。これも念願。

本日は「下町ハイボール」と「土佐っ子」というふたつの夢が叶ったので満足!

帰宅途中、酔っぱらった頭でiPodのボリュームをフルにしてロック・ミュージックを聴いてたら止まんなくなった。

I want to ROCK and ROLL!!!

mondec262011

都住の不足してた書類がやっとそろう。そして投函。

泥のように眠る……。

sundec252011

風邪がようやく沈静化してきた。

そういや駅の広告で「国芳」というワードを見かけたことを思い出しググった。

コレ→没後150年 歌川国芳展

国芳は以前から好きで一枚だけだけど赤穂浪士モノを所有している。

同時代のもう一人も巨匠、広重が「風景画」の「静」の絵師なら、国芳は「人物画」の「動」の絵師。ダイナミックな構図と色彩。反骨精神旺盛な生き様。国芳にはPUNK SPIRITを感じるのです。

しかし、世の中に国芳の良い画集が存在しないのが残念。なのでこの国芳展の会場で販売している画集がとても気になる。あとiPhoneケースも。iPhone持ってないけど。
 
サイボーグ009の主題歌「誰がために」が頭ん中でヘビロー状態。

メロディが転調するところと戦士たちの孤独をうたった歌詞がいい。純粋にこの曲は名曲だと思う。

satdec242011

メリークリスマスである。家族三人で過ごすはじめてのクリスマス。

夜勤明け。しかし風邪がなおらない。まとまった休みがちゃんと取れないから風邪が長引いている。コンコンコンコン咳がとまらない。

このブログを携帯メールから投稿できるように設定。ついでにyabminというメールからツイートを飛ばせるサービスに登録する。これでワタシの貧弱な携帯からでもつぶやけるようになったなぅ。

今回、自分がiPhoneが欲しい理由の約8割が「モバイルでSNS(主にtwitter)やりたい」ていう欲求だったんだなと再認識した。ふーむ。

「下町ハイボール」をさらに調査した。以下のページがおもしろい。

fridec232011

咳が止まらなくて眠れない。

iPhoneを導入しようか迷っている近頃である。

先日、近所のコジマへ行った。店員にいろいろ質問してきた。ついでにwifiについて聞いてきた。そこでひらめく。「そういや、プロバイダがイーモバイルとなんたらかんたら言ってたな」

どうやらニフティがイーモバイルと提携したサービスのよう。ワイマックスのサービスもあった。
デスクトップも無線LANにして、iPod Toutchをwifiにつなげて「擬似iPhone」にすることもできる。ほほー。

しかしウチのmacのOSが古すぐる! そして自分がなにをしたいのか見失っている!

ココは一旦保留で。そしてもう一度自分を見つめ直そう。(笑

「謎 ハイボール」でググッたらこんなサイトにブチ当たった。

「天羽(テンバ)の梅」……。こ、これだ! 数年前にタモリ倶楽部で見たヤツ!

これが下町の焼酎ハイボールの「素」か。そして「キンミヤ」という焼酎と「Azuma Tansan」なるもの……。深すぐるぜ!

「バイクメ〜ン」を思い出して

ふとバイクが気になり出したここ数日、オールド・スタイルな国産のバイクなんかをググッた。kawasakiの250TRとかYAMAHAのSR400とか。

そこでカフェ・レーサーという言葉に出くわす。

低いハンドル。妙に後方に位置するシングルシート。昔からこの形のバイクがなんとなく好きだった。そして、このスタイルのバイクのことを「カフェ・レーサー」というらしいと知る。

カフェ・レーサー。ロッカーズ。装飾がたくさん付いたライダース・ジャケット。ジーンズ。リーゼント。そう、それそれ。それ知ってる。前から知ってる。はて? オイラはそれをどこで知った? 記憶を遡ってみる。あ〜思い出した。あれは「バイクメ〜ン」だ!

それは約20年前。ワタクシがまだ高校生だったころ、週刊ヤングマガジンで連載していた漫画。それがワタクシの「カフェ・レーサー」の原風景だったのだ。ワタクシの感性は17歳のころから変わってないんだね〜。

そして、主人公ボニーのトライアンフじゃなく敵役ドトキンのノートンのルックスに惹かれていたのだった。

ああ〜、45歳になったらライダース着てカフェ・レーサー・バイクに乗ろうっと(なんとなく)。


Dungeons & Dragons

とある有名なテーブルトークRPGに「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というのがありますね。

ワタクシもその存在は知っておりましたが、いまだかつてプレイしたことはありません。しかし、一度はやってみたいとここ最近強く思うようになりました。

で、以下の二冊があればとりあえずプレイ可能らしいです。けっこう値が張ります。

だがしかし! ワタクシには一緒にプレイするお仲間がいないのでありました。トホホ。こうなりゃ知り合いに片っ端から声かけてみるか?

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)
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捨てない

捨てない by teruoooiwa

今日もぼくは生きてきたよ
放り出さないで

石につまずいても
ヒザをすりむいても
痛くて悔しくても
捨てない捨てない捨てない

12時になったって
〆切がすぎたって
歳をとりすぎたって
捨てない捨てない捨てない

Theピーズ「三度目のキネマ」@東京キネマ倶楽部


鴬谷にある「東京キネマ倶楽部」というところで行われたTheピーズのライブに行ってきた。東京キネマ倶楽部は元グランドキャバレーであったらしく、今ではライブの他に上映会やプロレス会場などイベントスペースとして運営されているよう。

じつは鴬谷はワタクシにとってなじみの場所なのであります。というもの、鴬谷にある高校に通っていたし、鴬谷で働いていたこともあるのです。だから庭みたいなもんなのです。

しかし他の街がどんどん変化していってるというのにこの街は全然変わんないな。パチンコ屋がなくなったり、ラブホテルがリニューアルされてたことくらいしか変わってなかった。

さて、この大正ロマンなライブハウスにはじめて入ったのだが、なんと雰囲気のあるライブハウスなことか! ステージ後ろに垂れている幕のひだひだが妙にいやらしかった。

Theピーズのライブのほうも絶好調でアツかった! 年甲斐もなく「おしくらまんじゅう」してきちゃったZ!

憧れの佐藤シンイチロウ先輩はビールを呑みながらのリラックス・モード(ピロウズじゃありえんなw)。で、リラックスして本性が露になるのか、いつもより「荒れた」ドラムだった。パンクロック・ドラマーの本領発揮か!

シンちゃん先輩のドラムはダイナミクスがすごい! 音がデカい! そしてまったくタイムがズレない! 私の理想のドラマースタイル。オイラもああいうドラマーになりてぇー!

ワタクシ、来月もこの東京キネマ倶楽部に来る予定です。次回はザ・コレクターズで。この会場にコレクターズは映えそうだなぁ〜。今から期待しちゃうZ!


鴬谷駅プラットホームから見たラブホテル街

自作PCプロジェクト

長年愛用しているMacもそろそろくたびれてきたようで近頃めっきり重くて遅い。それにこの前購入したビデオカメラのフォイル形式を認識しないなど、時代から取り残されている感も否めない。

というわけで新しいコンピュータの購入を検討しているわけだが、「もうMacはいいかな」と考えはじめている。MacにしろWindowsにしろメーカーの仕様に縛られるのにも嫌気がさしてきたというところ。

というわけで、前々から夢見ていたUNIX/Linuxの導入を実行に移そうかと目論んでいる今日この頃なのである。ついでに前々から夢見ていた「自作PC」にも挑戦しちゃおうか、という。

つまりは「Do It Yourself」精神である。安上がりだし。

で、いろいろ調べた。

どうやらCPUのクロック周波数は3GHzで頭打ちらしくそれよりも「コア数」で性能の向上を図っているらしい、と。「コアって『デュアル・コア』とかのあれか?」くらいの知識しかない自分。巷でちょくちょく耳にする「並列処理」なんぞもこのあたりのことらしい。

そして、CPUといえば「intel入ってる」くらいしか知らなかったが、じつは自作PCマニアの間では「AMD」というメーカーが主流だったりするらしい。なんせコストパフォーマンスにすぐれているし、後方互換も考慮されているので「CPUを付け替えて性能の違いを実感する」といういかにも自作PCマニアっぽい楽しみ方ができるらしい(裏を返せば、intelは後方互換を切り捨ててるということか)。

そしてコンピュータの組立てって「工作」。プラモデルより簡単そう。コンピュータの中ってブラック・ボックスみたい感じて畏怖してしまうけど、自作すると「ただの機械」なんだなと思う。

高級言語だとコンピュータの構造と乖離しててCPUとかメモリとか意識しないけど、アセンブリ言語だと機械と直結してて「コンピュータのやってることって至極シンプルなんだな」なんて思えるのと似てる。たぶん自分でOSとか作っちゃうハッカーたちってこういうコンピュータの構造を頭ん中でイメージしながらプログラミングしてんだろうな。

映像劇などについての雑記

映画はすべてが「メタファー」だ。小説みたいに「地の文」で説明することができないから映像のメタファーで心理描写や背景説明するしかない。それが映画表現の「偏り」であり、「魅力」だ。

小説を読むという行為は、その小説世界を自分の中で構築する行為。文章を読みつつ、脳内でその情景をつくり出す。「文章を読む」という行為自体に快感がある。

「舞台劇」と「映像劇」は似て非なるもの。演劇臭い台詞回しの映画を以前観たことがあるが、映画として成立していなかった。両者はまったくの別物なんだとそのとき悟った。

かのニーチェは「悲劇の誕生」のなかで「『悲劇』は、アポロ(造形美術)とディオニュソス(音楽)の融合した最高の芸術」と言った。たしかに音楽的要素を感じる。

音楽は「時間」から逃れられない。メロディーはつねに変化することを宿命づけられているし、リズムは「今」を一瞬先の未来へと押し進めようとする。

小説や演劇や映画や漫画も同様に「変化」し前に「進んで」いく。「Aメロ→Bメロ→サビ」のように展開していく。G7からCに解決するときのカタルシスがある。

脚本やシナリオの書き方は、絵を描くときに「下書きをして全体の形を決めつつ、徐々に筆を加えてディテールを固めていく」ように、プロット作りや箱書きを徐々に進めて仕上げていくといわれているが、「絵を描く」というよりも「作曲」に近いのではないかと最近思うのであった。

うむ。しかし「映像劇」という言葉は「映画」よりも映画をうまく表しているな。

この世界はやはり不条理なのか?

不条理。

若いころにはその言葉の響きがカッコ良くて、カフカなんぞを気取って読んでたりもした。しかし正直、そのころの自分にはカフカの小説はチンプンカンプンだった。そして「不条理」の意味をちゃんとわかっていなかった。その意味を「実感」として理解したのはここ最近のことだ。

先日、リビアのカダフィー大佐が殺された。マスコミは「死亡」なんて曖昧な表現を使っているが、あれは明らかに「処刑」だ。

「アラブの春」といわれる北アフリカの市民革命は永らく君臨していた独裁権力は打倒した。しかしその先にあるのはきっと「平和な民主国家」なんかではなく「新たな権力争い」だろう。

ラストキング・オブ・スコットランド」という映画がある。ある男がクーデターを起こすと国民たちは彼を英雄と讃え、歓喜で迎えた。しかしその男はのちに独裁・虐殺・粛正を行い、最後には国を追われた。そのとき国民は彼がクーデターを起こしたときと同じように歓喜して祝ったという。

独裁者も愚かなら、国民も愚かだ。権力は腐敗するし、歴史は残酷だ。

カダフィー大佐もクーデターを起こしたときは英雄として国民に迎えられたのだろう。そして革命を起こした市民たちは裁判もせずカダフィーを処刑した。なんだか「ラストキング・オブ・スコットランド」とダブるのは気のせいでもないだろう。

この世界は不条理で出来ている。いまならカフカの小説がしっくりと読めるかもしれない。

Bunker Palace Hotel(バンカー・パレス・ホテル)



1989年。フランスのSFファンタジー映画。Wikiによればそれなりの話題作だったらしい。

僕が中三か高一くらいのときにこの映画を観たはずだが、この動画を見てもまったく内容が思い出せない。「バンカー・パレス・ホテル」というタイトルだけ辛うじて覚えているくらい。

当時、僕は「近未来モノ」の映画を物色していた気がする。「1984」とか「未来都市ブラジル」とか。そして、どこで知ったのか、その頃の自分はこの映画を見つけてきたのだった。

東京では中野の単館上映だったので、一人で中野まで観に行った記憶がある。そのころの僕には中野の路地裏にひっそりとある小さな映画館に入ること自体が初体験の冒険だった。小心者の僕は結構ドキドキしてたはずだ。

僕はこの映画に「サイバーパンク」的なものを期待していったのだけど全然サイバーじゃなかった。でもそれなりに楽しめた、と思う。

このとき、会場内にはチラシがたくさんあって、そのどれもがマニアックでアングラなチラシばかりだった(STDを説明したチラシとか)。当時の僕はそのチラシに「パンク」を感じていつまでも大事にとっていたっけ……。

映画自体にはなんの影響も受けなかったけど、はじめてのアングラ体験をさせてもらった記念的な映画として僕の記憶にある一本なのです。

【補足】
もしかしたらその映画館はここかもしれない。→ 中野武蔵野ホール

数年前に探しに行ったとき見つからなかったんですが、2004年にすでに閉館してますね。ここの写真にある会場脇のチラシスペースに覚えがあるような……。

既得権益というものについて考えてみた

巨大な特権を持ちながら時代にそぐわなくなった組織・集団てありますね。いわゆる「既得権益」というやつ。

たとえば、官僚とか検察とか記者クラブとか経団連とかナントカカントカ……。これら既得権益を破壊すれば公正で公平な世界が待っていると考えてる人も少なくないのでは?

きっとこれらの既得権益組織も、高度成長期あたりには時代にベストマッチしていて国が急成長するには最適なシステムだったのでしょう。が、そんな有益な組織も長い年月変わらずにいれば中身は腐っていくし外の変化についていけなくなるのは、コレ、宇宙の理(ことわり)。

しかし、そこは腐っても長年この国を支えてきたシステム。破壊したあとには「混乱」と「失望」が待っているかも。この前の政権交代のように。

自民党政治には嫌気がさしていたし、歴史の必然として自民党体制は壊さなければならなかったのでしょう。しかし結局、代わった民主党はみごとに期待を裏切ってくれて、元々高くなかった日本の政治力がさらに地盤沈下したといっても過言じゃない。もう国民の多くが政治家に期待してないし信用もしてないと……。

他の分野でも既得権益を潰せば似たようなことが起こるかもしれない。たとえば、「原発事故を起こした東電を潰して発送電分離して電力業界に自由競争の風を」といった理想も、現実になってみれば「混乱」と「失望」が待っているかもしれない。記者クラブをなくしたって日本のジャーナリズムはたいして変わらないかもしれない。

しかし「新陳代謝」がないことは「生命活動」が止まっていると同義。きっと古い細胞(既得権益)は潰していったほうがいいのでしょう。じゃなきゃ、その先には「老死」しかないのだから。

権力が小さくなっていく

最近、よく思うのは「政府」というものがひどく小さな存在に感じるということ。

世界的にも「政府」というシステムが力を失ってきているんじゃないかと感じる。それに反比例して「個人」というものが強くなっていってるように思う。このことは「ネットワークの発達」と無関係ではないだろう。

エジプトやチュニジアやリビアでは、なんの力も持たない「個人」がSNSに集い「渦」になり長年権力を独占してきた独裁政権を倒した。

そして、個人的に、なによりも「政府」が小さく感じたのは、3.11以降のこの日本政府の対応だった。

まるでダメダメだった。

「平常時に国民不在なことをしてきた政治家や官僚たちも、こんな未曾有の大災害に直面すれば内に秘めた使命感を発動させて、彼らの有能さを国民のために、いや、せめて被災者のために発揮してくれる、きっと」心のどこかでそう信じていた……。

しかし彼らは相変わらずだった。いや、むしろより鮮明に彼らがどういう行動原理で動いているのかが浮き彫りになった。

政治家は政局の舞台で踊りつづけ、まるで「コント」を見ているようだった。

官僚は「国民のため」なんて考えは微塵もなく、自分らの「なわばり」を守ることにより必死になっていった。

経産省は事故の収束より原発政策の維持を。文科省はこどもの健康より学校運営を。財務省は復興より増税を。

官僚たちも一枚岩じゃないと知った。各省は自分の組織の都合を優先させる。そこに「国家」とか「国民」というものが見えてこない。以前はそういう気概を持っていたのかもしれないが(そう信じたい)、いまは会社全体の利益より自分の部署の都合しか考えないサラリーマンと同じだ。本能に正直で人間臭いといえばそうかもしれない。

彼らはジョージ・オーウェルの「1984」みたいな支配的な存在じゃない。もっと「こじんまり」とした小さな存在なんだ。彼らも僕らと同じようになによりも自分が大事なんだ。だから問題は根が深いとも言える。だって「自分の身を守る」本能は一番根源的な本能だから。

そもそも権力なんてものは本質的に脆いものなのかもしれない。ネットワークの発達は「個人」を強調する。良くも悪くも。それが相対的に権力を小さくしていってるのだろう。

ファミコンの仕様③ - テクニック編

乗算と除算
つい最近までコンピュータで乗算と除算をするのが大変だったなんて意外。さらにファミコンのCPUには乗算・除算の命令自体がないそうだ。そこで「シフト演算」なるものをつかうらしい。

シフト演算とは、ビットを左右にずらして(シフトして)「2乗」や「-2乗」を行うことみたい。そしてこの演算は高速が強味らしい。くわしくはこちら→シフト演算

シフト演算と加算を組み合わせることで「3倍」や「5倍」といった累乗倍以外の計算もできる。

 1倍:元の値
 2倍:シフト演算による2倍
 3倍:シフト演算による2倍 + 元の値
 4倍:シフト演算による4倍
 5倍:シフト演算による4倍 + 元の値
 6倍:シフト演算による2倍 + シフト演算による4倍
 7倍:シフト演算による8倍 ー 元の値
 8倍:シフト演算による8倍


その他に、あらかじめ出した結果を「テーブル」状に保存する方法もあるらしい。この方法ならば結果を参照するだけなので高速処理が可能。

「ドルアーガの塔」の迷路生成法
「ドルアーガの塔」は迷路情報のデータとして持たず、ステージ数を種とした「乱数」つかって生成しているらしい。毎回おなじ形の迷路になるのは「擬似乱数」だからだそうだ。以下のようなアルゴリズムで迷路を生成している。

①ステージ内に均等にならんだ「柱」を順番に選ぶ。
②0から3の乱数をつかい「壁」をつくる。「0→上」「1→右」「2→下」「3→左」
③もし「外壁」か「他の壁とすでに接触している柱」に接触したら①にもどる。それ以外は④へ。
④0から2の乱数をつかい、「0」なら「壁」をのばした進行方向左へ、「1」なら直進、「2」なら進行方向右へ、さらに壁を伸ばす。

これを「壁」と接触していない「柱」がなくなるまで繰り返す。

自動的に迷路を生成する方法の参考はこちら→自動生成迷路


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ファミコンの仕様② - プログラミング編

ゲームは60分の1秒を周期にして動く
たいていのゲームは60分の1秒ごとに一定の処理を繰り返している。なぜ60分の1秒かといえば、その理由はテレビの画面更新周期が60分の1秒だからだ。

テレビは画面の左上から右へ水平方向に画面の表示を更新していき、右上の端までいくと左端にもどりすこし下にさがってまた右へむかって画面を更新していく。それを繰り返し右下に到達し画面全体を更新するまでの時間が60分の1秒というわけだ。ゲームはその周期に合わせて処理をしている。合わせないと画面の乱れなどが生じてしまう。この周期を「フレームレート」という。

ゲームプログラムの処理の流れ
たとえばシューティングゲームの場合、以下のような処理を60分の1秒周期でループする。


  残機数を3にする
  スコアを0にする

    A.
    自機を出現させる
    敵機を出現させる

    B. 自機の処理
    コントローラの入力を読み取る
    入力にしたがって自機を移動させる(座標を変更する)
    自機が画面外に出たら:
      自機が画面内にもどるように座標を調整する
    ボタンを押したら:
      新しい弾を出現させる
    自機が弾に当たったら(当たり判定処理):
      自機を消す
      残機数を減らす
      残機数が0でなければ:
        A. にもどる
      残機数が0ならば:
        C. にジャンプ

    敵の処理(すべての敵について行う)
    敵を自機に近づく方向に動かす
    敵が弾に当たったら(当たり判定処理):
      スコアを加算する
      敵を消す
      弾を消す
      新しい敵をランダムな位置に出現させる
    敵が画面外に出たら:
      敵を消す
      新しい敵をランダムな位置に出現させる

    弾の処理(すべての弾について行う)
    弾を発射された方向に動かす
    弾が画面外に出たら:
      弾を消す

    スクロールの処理
    スクロールの位置を更新する
    最終画面に到達したら:
      D. にジャンプ

    画面の更新処理
    VBlankを待つ
    VBlankを検出したら:
      スプライトを更新する
      BGを更新する
      画面をスクロールさせる
    B. に戻って繰り返す

    C.
    ゲームオーバー画面を表示する
    もう一度プレイする場合は最初に戻る

    D.
    ゲームクリア画面を表示する
    もう一度プレイする場合は最初に戻る


ブラウン管テレビの場合、電子ビームをブラウン管表面に当てることで画面を発光させる。左上が画面に電子ビームを当てていき右下に到達して画面全体が更新されたあと、電子ビームを右下から左上に移動させる。このときわずかに時間がかかる。これを「垂直帰線期間」といい、ファミコンのプログラミングでは「VBlank」ともいう。

ファミコンのプログラムはアセンブリ言語で書かれている。当時、マシンもコンパイラも性能が充分ではなく、高級言語よりもアセンブリ言語でゲーム開発をしたほうがファミコンの限られた性能を最大限に引き出すことができた。

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ファミコンの仕様① - ハードウェア編

「ファミコンの仕様を知りたい!」と思ってたところにこんな本と出会った。

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CPU
ファミコンのCPUは米モステクノロジー社の「6502」(シンプルな機能で低価格なCPU)を使っている。さらにゲームで使わない機能を削りそこにサウンド機能を追加したカスタム仕様。8bit1.79MHz(現在のCPUの32bit3GHzと比べると6000倍程度の差がある)。

グラフィックス
ファミコン内部にはふたつのLSIが搭載されている。ひとつは上記の「6502」で「演算」と「サウンド」を担当している。もうひとつの「PPU(Picture Processing Unit)」はグラフィックスを担当している。

ファミコンのグラフィックス機能は「スプライト」と「BG」から構成されている。

「スプライト」はキャラクタを表示する機能。CPUが座標や属性といったわずかな情報を示すだけでPPUがスプライトを画面に表示する。CPUに負担をかけない仕組み。欠点は表示できるスプライトの数に制限があること。8×8ピクセルのスプライトを最大64個まで表示できる。ファミコンのキャラクタはスプライトを四つ使って16×16ピクセルで表現されているので最大16人まで表示できる。さらに水平方向にも制限があり8×8ピクセルのスプライトを最大8個までしか並べられない。16×16ピクセルのキャラクタでは最大4人のキャラクタまでは表示できる。「ドラクエ」でたまにキャラクタが「ちらつく」のは高速で表示・非表示くり返してキャラクタが消えてしまうのを防いでいるため。

「BG」はbackground、背景を表示する。画像を格子状にならべ画面全体を滑らかにスクロールさせる。これもCPUは表示したい画像の種類やスクロールの位置を指定するだけ。あとはPPUが行ってくれる。ファミコンの解像度は横256ピクセル縦240ピクセルなので8×8ピクセルのBGを32×30個ならべられる。

ファミコンは最大52色(13色4階調)の色しか使えない。そして実際に画面に表示できるのは25色。これを「パレット(色見本帳)」とつかって選択する。
スプライト用パレット(3色 + 透明色)× 4パレット = 12色
BG用パレット(3色 + 背景色)× 4パレット = 12色

スプライトやBGの絵柄データを「パターン」と呼び、スプライト256個、BG256個定義できた。

メモリ
ファミコン本体にはふたつのRAMが搭載されている。
ワーキングRAM(2KB)CPUに接続。プログラム作業用。
ビデオRAM(2KB)PPUに接続。グラフィックス描画用。

カートリッジにはふたつのROMが搭載されている。
プログラムROM(32KB)プログラムやデータを格納。
キャラクタROM(8KB)スプライトやBGのパターンを格納。

ビデオRAMには2画面分の領域が持てる(1画面1KB)。2画面を縦方向または横方向にならべてスクロールさせるため。のちに、カートリッジに追加のビデオRAMを搭載させて、4画面分の領域を持たせ「斜めスクロール」を実現させるゲームも登場。

サウンド
サウンド機能はCPUに内蔵されていて5系統の音源出力がある。
パルス波(矩形波)2系統。メロディラインに。
三角波ベースラインに。
ノイズドラムや効果音。
DPCM(サンプリング音源)ドラムや効果音。

ROMカートリッジの拡張
カートリッジ側でさまざまな機能が拡張できるところがファミコンの特徴のひとつ。
■スクロール
カートリッジにビデオRAMを搭載し4画面分の領域を持たせ「斜めへのスクロール」を可能にした。
■バッテリーバックアップメモリ
RPGやアドベンチャーゲームなどで途中のデータを保存する。小容量のRAMを搭載し電池をつかって通電する。
■割り込み
特定のタイミングでCPUに信号を送り通知する。ラスタースクロールなどの特殊な処理を実現。

電脳について考えてみる

「攻殻機動隊」や「マトリックス」というSFに出てくるような「電脳」が実現する可能性はどのくらいあるのか?

まずは「ブレイン・マシン・インターフェイス」という分野のレポート。
 ブレイン・マシン・インターフェイス最前線(1)
ここで重要なのは「思考」をトレースしているのではなく「運動神経系」の信号を電気信号に変換している、ということ。

「思考」とは、シナプスのネットワークの「瞬き」である。そして「思考」には統一の規格がない。同一の思考であってもそのシナプス・ネットワークの形には個人差があり、あまりにも千差万別すぎる。一人一規格な状況。仮にある人のある思考のシナプス・ネットワークの瞬きを別の人間の脳で再現できたとしても、まったく別の思考が生成されるだろう。個人差の壁を乗り越え、コンピュータがそんな「思考」を「読みとる」ことは不可能だ。これは、いくら電脳技術が発達しても人間同士がわかりあえる日は来ないということを意味している。なんちゃって。

話を戻す。

なので、情報がより単純な「運動神経系」であればコンピュータでも解析できる。人間の「出力」について考えてみれば、人間はなにかを表現する方法としてあるのは「筋肉」だけである。「話す」ことも筋肉の動きによってであるし、「文章を書いたり」「楽器を演奏したり」「絵を描いたり」することも結局は「筋肉」を動かなければ外に表現できない。まったく筋肉が動かせない人は客観的には「思考」があるのかないのかすらわからない(脳波を測ればわかるが)。

人間の「入力」は五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)である。ここではとくに「視覚」と「聴覚」と「触覚」が問題になってくる。「入力」器官である「感覚神経系」も情報が単純なので機械との相性はいいだろう。

これらの技術が発達すれば、そう遠くない未来に「攻殻」の世界のようなディスプレイを視覚内に表示させたり、電脳で無線連絡したり、ネットワークにアクセスしたり、外部機器を遠隔操作したり、ができそうだ。

「感覚系」と「運動系」に接続できるなら、究極的には、小説「ニューロマンサー」や映画「マトリックス」に出てくるサイバーパンクSF最重要定番ガジェット「バーチャル空間へのダイブ!」も実現可能になるだろう。それはみんなの夢である「バーチャル・セックス」が可能になるということだ。ビデオやパソコンが普及した真の理由は「ポルノ」であるという指摘もあるくらいなので、これは重要な要素なのだ (キリッ!

こんな記事がある。
National Geographic News: 細胞を直接観察するナノワイヤー
ナノマシンが脳神経とコンピュータをつなぐ! これは、まさに「攻殻」の世界だ!

ここで疑問。コンタクトレンズ型ディスプレイとか開発されれば視界にディスプレイを表示できる。イヤフォン型携帯はすでにある。それでもモバイルフォンを体内に埋め込みたいと思うか? 脳内にナノマシンを注入するリスクを冒してまで電脳化したいと思うか? ……さあ?

ここから先はSFの世界だ。

サイバーパンク再考


英語版のwikiの「Cyberpunk」には渋谷のスクランブル交差点の写真がのっている。「東京」はサイバーパンクの聖地なのだ!

ゾンビランド



2009年アメリカ。

ゾンビ映画であり、コメディ映画であり、ロード・ムービーでもある。主役のジェシー・アイゼンバーグが「ソーシャル・ネットワーク」以前に出演した映画のはずなのに、劇内で「フェイスブック」ネタをやってるw。

ジェシーいいね! いい役者だ! ヒロインのエマ・ストーンもかわいかった! あと、ウディ・ハレルソンのリアルの父親がリアルに「殺し屋」てのがワロタ!

とにかくゾンビ映画という期待を裏切ってくれるジャンルのなかで、期待以上に面白かったYO!!!

サイバーパンク考

このあいだテレ東の昼の映画で「ブレードランナー(1982)」がやっていた。この映画はその斬新な近未来描写によって「サイバーパンク」というジャンルを決定付けた映画だ。

僕は「サイバーパンク」が好きだ。なのに、サイバーパンクの金字塔である「ブレードランナー」はあまり好きでもない。それに「ニューロマンサー(1984)」などのサイバーパンク小説の定番も読んだこともない。きっと、僕は「サイバーパンク」という言葉の響きが好きで、サイバーパンク的なビジュアルが好きなんだと思う。

それに元々がパンクロック好きってのもあるかもしれない。十代の多感なころにパンクロックに染まり、語感が似てる「サイバーパンク」にも興味もったのかもしれない。サイバーパンク・ムーブメントは80年代に起こった。「AKIRA」が映画化されたのが88年(「AKIRA」は絵柄がサイバーパンクだけど内容は超能力アクション)。「攻殻機動隊」がヤンマガで連載スタートしたのが89年。僕がパンクロックにガツンとやられてたころとシンクロする。というわけで内容や思想よりもイメージとビジュアルでサイバーパンク好きになったのだろう。

で、最近になって押井守の「イノセンス」を観た。これは「攻殻機動隊」のスピンオフみたいなものだが、原作者の士郎正宗の描く近未来像がサイバーパンクとは違うような印象を受けた。

そもそもサイバーパンクの世界とは、科学技術が高度に発達し、世界を覆うネットワークが肥大化している世界だと思う。いまのインターネットの世界がもっと過剰になって現実世界に投影されたような世界。その世界は、カオスであり、「持つ者」と「持たざる者」の格差がほとんどない世界であるはずだと、僕は夢想する。

インターネットの方向性は「無償化」と「平等化」だと僕は考える。サービスやデータは無料(フリー)が当然となり、誰もがあらゆる情報を共有し、特定の情報を囲って他者より有利に立つなんてことは難しくなる。誰もが「知識」と「力」を持つようになる。「個人」が強くなる。必然的に「組織」や「集団」は弱くなり小さくなっていく。企業も政府も。権力は分断され分散する。みんなが小さな権力を手にする。戦争はなくなるが、テロがその代用品になる。産業革命以後の資本主義の終着駅。経済は世界規模で慢性的不況。石油はとっくに枯渇し、エネルギーはほぼ100%原子力にたよっている。

僕の考えるネットワークが肥大化したサイバーパンク世界とはそういうイメージだ。同じ退廃的な近未来像でも「1984」的な全体主義社会とは真逆の世界。個人主義の極致みたいな未来だ。

それを思うと「アップルシード」も「攻殻〜」も企業や政府機関が権力を持ちすぎている世界だ。そこが僕には違和感を感じずにいられない。

と、「ニューロマンサー」も読んだことない奴が言ってみた。ペコリ

酔いがさめたら、うちに帰ろう。



2010年作品。主演・浅野忠信、永作博美。

この映画はコメディでもシリアスでもなく、一組の男と女のラブストーリーだった。アルコール依存症という困難にもゆるがない二人の関係が心に響く。

クライマックスでアルコール依存病棟内での体験発表会のシーンがあるのだが、そこでの浅野忠信の独白がスゴイ! あんなに淡々と語ってるだけなのにこんなにも感動させられるものなのだろうか! 雰囲気をもった役者だ。浅野忠信の才能にただただ脱帽……。

同じ時期に公開された映画『毎日かあさん』(主演・小泉今日子、永瀬正敏)とくらべて、こちらの「酔いさめ」のほうが映画として質がいいと思います。個人的に。

で、西原理恵子がナース役でカメオ出演してるらしいが、見つけられなかったおorz。

はじめての唯識

唯識。またの名を「瑜伽行唯識学派」とか「瑜伽行派」などとよばれたりする。「中観派」と並ぶ大乗仏教哲学の二大学派のうちのひとつ。起源はもちろんインド。両学派とも「空」の思想を根本にしているので対立するものではない。中観派の土台の上に唯識派が乗っかっているイメージか?

唯識を簡単に言ってしまえば「唯(ただ)識(し)ることのみがある」という哲学で、「『私』の見ている世界は『私』が感じたり思考したりしてのみ認識できる。つまり、世界のすべては『私』自身がつくりだしたもの」みたいな思想。

「識」は八種類あり、五識(五感)と意識、無意識の領域にある二つの心の末那識(まなしき)と阿頼耶識(あらやしき)がある。

  • 五識(眼識、耳識、鼻識、舌識、身識)……五つの感覚。「耳なら音」「舌なら味」というふうに、それぞれ固有の対象を感じる。
  • 意識……五識を統合し、「言葉」を使って対象を概念的に把握する。
  • 末那識……「我」という心。
  • 阿頼耶識……すべてのものを生みだす心。五識も意識も末那識も外界もすべて阿頼耶識が生みだしたもの。

これで想起したのが量子力学の「不確定性原理」だった。「不確定性原理」をものすごく簡単に言ってしまえば、「観測者が宇宙を観測してはじめて、宇宙が『存在してるか?』『してないか?』が確定する」みたいなカンジ。これも極論すれば「観測者が宇宙を創造している」ということになるらしい。いわゆる「コペンハーゲン解釈」。

人間の考えることは所詮に似てしまうものなのね。ああ、物理学だって宗教みたいなもんか。1,700年前に数学ではなくヨーガ(瑜伽)による深い自己観察によって、似たような結論に達した唯識派に驚愕! さらにフロイト以前に無意識の存在を認識していた仏教徒たちに敬意を!

さてさて、その唯識の主張は、私たちが外界に存在していると思っているモノは「私の心(阿頼耶識)」が生みだした虚像・仮象であり、客観的な存在というものはない、というもの。そして、とどのつまり、その阿頼耶識でさえ現象であり実体はないと説く。すべては無常であり「空」である、と。

仏教独特のこの「空」の思想は、ショーペンハウアーの「意志と表象としての世界」的イデアや、老荘思想の「道(タオ)」などを飛び越えて、「存在」というもののさらなる深淵をとらえていると思わせる……う〜む。

で、仏教ではこの唯識や「空」の理論を知識として「知って」るだけじゃダメで、その感覚を体感し体得することを目指している。それを「悟り」という。その実践法が「ヨーガ(瑜伽)」、日本でいうところの「禅」なのである。だから「瑜伽行唯識学派」と呼ばれてるわけですね。

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なつかしのファミコン時代のゲーム

近頃、無性にファミコン時代のゲームがやりたい。現代のゲームと真逆の、あのシンプルで不親切な設定のゲームがやりたいのだ! そして、ファミコンのエミュレータ機を買おうか本気で悩んでる。。。

そんなこんなでYouTubeでファミコン・ゲームの動画ばかり見ている。てなわけで。。。

ロードランナー


ポートピア連続殺人事件


さんまの名探偵

『川の底からこんにちは』



2010年日本。

東京でなにもかも諦めて暮らしている佐和子。口癖は「しかたない」。そんなとき実家の父が倒れたとの連絡が。しぶしぶ田舎に帰り家業の「しじみパック工場」を継ぐことになった。ダメダメな恋人とその連れ子をともなって。

だいたいの映画ははじめの10分くらいで面白いかつまらないか判断できるが、この映画は序盤まで面白いのかつまらないのか判断できずちょっぴり不安になった。

が、徐々に物語のテンションが上がっていき後半あたりからはガラッとテイストが変わる。

「中の下」「どうせつまらない人間」といったネガが「だから頑張るしかない!」というポジに反転する気持ちいい映画だった。

主演の満島ひかりの演技が物語とシンクロして無表情から感情爆発へと変化していくのも面白い!

ちなみに、この映画をきっかけに満島ひかりと石井裕也監督は結婚したらしいッス。

『トイレット』



2011年日本・カナダ作品。『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督。

物語はママのお葬式の場面からはじまる。残された三人兄妹、猫のセンセー、そして、ばーちゃん。

火事でアパートにいられなくなったロボットプラモ・オタクのレイは、ママの残した家に転がりこみ、パニック障害でひきこもりの兄のモーリーと生意気な妹のリサと日本人で英語の通じない「ばーちゃん」との同居がはじまる。

ばーちゃんは毎朝トイレから出てくるたびに深い深いため息をつく。レイはそれが気になってしかたない。そして、そのため息の理由は……。

それぞれの問題を抱えたレイ、モーリー、リサが「ばーちゃん」との生活で徐々に変わっていく、て話なんだが……にしても、荻上直子監督のあの独特の色彩感覚はなんなんでしょ? あの独特の時間スピードはなんなんでしょ? あの妙においしそうな料理やビールはなんなんでしょ? ピースな気持ちになりますねホント。

しかし、はずかしながら今作が公開したの気が付かなかったんだが……。いつやったんだろう?

『マイ・ブラザー』



2009年アメリカ作品(原題"Brothers")。じつは2004年のデンマーク作品のハリウッド・リメイクなんだそうな(『ある愛の風景』)。

堅実な軍人の兄と刑務所から出所したばかりの弟。真逆の兄弟。兄の美しい妻と二人の娘たち。

軍人の兄はアフガニスタンに出兵し撃墜される。その訃報が妻と弟のもとに届く。二人は兄の死を悲しみ、お互いを癒すために惹かれあっていく。

が、そこに兄が生還したとの報告が! しかし戦地での惨い体験ため人が変わってしまった兄。妻や娘たちにさえ厳しく当たるようになり、さらに妻と弟の関係も疑うようになる。

ともかく兄サム役のトビー・マグワイア(Tobey Maguire)のキレっぷりが凄まじい! 弟トミー役のジェイク・ギレンホール(Jake Gyllenhaa)と妻グレース役のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)もいいんだが……。

あと長女イザベル役の子の内心父親に恐怖してるんだけど、それに耐えつつ涙プルプルな演技がすごかった!

『ラストキング・オブ・スコットランド』



2006年イギリス作品。
1970年代に君臨したウガンダの独裁者アミンについての物語。史実を元につくられたが主人公のスコットランド人医師ニコラスは架空の人物らしい。

人を魅了する才能を持つアミン将軍はクーデターにより大統領になる。ウガンダ国民は彼に心酔し熱狂する。スコットランドから来た医師ニコラスはアミンに気に入られ、彼の右腕となる。

権力と富を手に入れたアミンは徐々に疑心暗鬼になり誰も信じられなくなり30万人と言われる虐殺・粛正を行う。これは史実。

しかし主人公のニコラスがチャラい! そのチャラさが後に身の破滅を招くことになるわけだが……。そして結構残酷なシーンもあるのでお気をつけを……。

アミン役のフォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)は大好きな俳優。映画「スモーク」を観てファンになった。日本じゃあまり話題にならなかったこの映画でフォレスト・ウィテカーはゴールデングローブとアカデミーの両方で主演男優賞を受賞したそうだ。

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『ローラーガールズ・ダイアリー』



2009年アメリカ作品。ドリュー・バリモア(Drew Barrymore)の長編初監督作品。

テキサス州の田舎町で退屈な日常を過ごしている17歳の女子高生ブリスが、隣街のオースティン(ちょい都会)で開催されているローラーゲーム(Roller Derby)の世界で「本当にやりたいこと」に出会い成長する、って映画。

作品全体に清々しい空気があって爽快。思春期特有のちょっと甘酸っぱい体験もしてブリスは成長してく。

ブリスの母親は、美人コンテストで優勝することだけが娘の幸せだと信じ込んでいる人で、ブリスとその妹に自分の価値観を押し付けている。いや、それも母親の愛情なんだけども……。

てか、母親ってこういうもんだよね。母親って子供との一体感が強くて、行き過ぎると子供を飲み込んでしまうことがある。で、そこで父親の出番なんだけど、ブリスの父親はいい距離感でブリスに接している。父親の鏡ですな。

その他にも、親友との喧嘩、はじめての恋など「青春の要素」勢揃い。ブリス役のエレン・ペイジ(Ellen Page)の潤んだ瞳と下がり眉毛がキュート。冴えない女子高生がたくましくなっていく過程が心地よく描かれています。

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『主人公は僕だった』

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2006年アメリカ作品。
国税庁の会計捜査官のハロルドは几帳面な日常を送っている。歯磨きのブラッシングの数やバス停までの歩数などをカウントして決まった数になるように、といった感じの生活を毎日寸分たがわず送っていた。が、ある水曜日を境に「声」が聞こえるようになった……。

その「声」の主はハロルドを主人公にした小説を書いている「作者」なのだが……つまり、ハロルドは小説「内」の人物のはずなのに作者の声(地の文)が聞こえてしまい、それに戸惑う。そして「声」から死の宣告を告げられてしまう。

と、まあ、本来「メタ的存在」の作者とその小説内の登場人物が同一線上の世界に存在して「さあ大変」というお話。

キャストはハロルド役のウィル・フェレル(Will Ferrel)。ハロルドが想いをよせるアナ役のマギー・ギレンホール(Maggie Gyllenhaal)。ダスティン・ホフマン(Dastin Hoffman)やエマ・トンプソン(Emma Thompson)が脇を固めてまあ豪華! というか、ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンは演技だけで観てる者の目を釘付けにできる稀な存在ですなぁ。

内容はとてもよかったのですが、邦題がマズい。『主人公は僕だった』って……。原題『Stranger Than Fiction(小説は奇なり)』はとても内容にマッチしてて良いのに。このタイトルだとドタバタ・コメディだと思っちゃうなぁ。実際、ぼくはそう思ってたし。あと、ウィル・フェレルが主演てのもドタバタを想起させる要素だな。

実際はハートフル・コメディです。几帳面を演出するグラフィックもスタイリッシュでかっこよく、おもしろい。ウィル・フェレルの押さえた演技のコントも笑えました。

memo: 関数型プログラミング

まず、Cのポインタについて調べるとどうもメモリのことらしいので……

プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラムの基礎知識
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 つまりはアセンブラ。この本は読んでおこう、いつか。


そして近頃のもうひとつの関心事、関数型プログラミング

代表的な言語に……
さて、どれにしよう? Rubyが「Matz LISP」と呼ばれるだけあって、LISPには見覚えある記述がちらほら。scalaという言語のwikiにもろRubyな記述も。

こんな記事もみつける。
JavaScriptの関数を「変数に代入できる」「 引数にできる」「無名にできる」の特徴はこのためにあったのか? Prototypeによる内部イテレータみたいな記述がある。関数型と関係あるのか? コルーチンとつながる。

関数型プログラミングを調べれば突き当たるラムダ計算

学びやすさでSchemeだろうか?

フィリップ、きみを愛してる!



2009年アメリカ・フランス映画。ジム・キャリー(Jim Carrey)、ユアン・マクレガー(Ewan MacGregor)主演。

天才詐欺師のスティーブンが刑務所で出会ったフィリップ・モリスに恋をし脱獄をくりかえすコメディ。二人はゲイです。これも実話らしいです。

一個前に観た「ニュースの天才」の主人公も「スティーブン」で「嘘つき」。これは偶然か? それとも神の啓示か? 啓示なら「嘘は罪だぞ」か? それとも「人生なんて嘘だらけさ」か? う〜む。

とりあえずユアンが出てくるまではジム・キャリーの独壇場。彼のコントが炸裂する。純粋に笑える。にしてもジム・キャリーてデカいんだな……。

そしてユアン・マクレガー演じるフィリップ・モリスがほんとキュートに見えてくる。「ま、まさか……オレの潜在に……そのケが!」と勘ぐりたくなるほど。

メインはスティーブンの破天荒な人生なんだが、これが実話とは驚き! 人間やってやれないことないな、と思わせる。

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ニュースの天才

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2003年アメリカ映画。主演はアナキン・スカイウォーカー役で有名なヘンデン・クリステンセン(Hayden Christensen)。

あらすじは、アメリカの権威ある雑誌「THE NEW REPUBLIC」の記者スティーブン・グラスが起こした記事捏造事件を描いている。これは1998年に起きた実話。

「スティーブンは優秀な記者」→「取材先にだまされ嘘の記事を載せてしまう」→「が、実はそれはスティーブンの捏造だった!」と、一応、サスペンス調になってるが、帯に「27も事件を捏造した云々」と書いてあるのでそこはあまり重要じゃないみたい。

かといって、捏造の方法を描くクライム・ムービーでもない。

興味深いのはスティーブンが「なんで記事を捏造したのか?」てことを見過ごしちゃいそうなほどさらっと描いてるところ。明確に提示せず「暗示」的なので無意識レベルで訴えてくる。

観終わってからゆっくり分析すると、まずスティーブンが育ったハイランドパークという場所は保守的な田舎で、スティーブンの親は息子に弁護士になることを強要するような抑圧的な親だということが垣間見れる。

劇中、スティーブンはいつも周囲の人たちのご機嫌をとっている。そして、他人が怒っているかどうかを極端に気にして怯えている。これはスティーブンがつねにプレッシャーに晒された環境で育ってきたことを推測させる。

そして、彼が彼の母校で武勇伝を語るシーン。語りかけていたはずのたくさんの後輩たちは彼の幻想だったという場面は、虚言癖の人にある「空想をリアルに感じる」「空想を現実と混同する」という特徴をあらわしている。さらにピンチになったときに泣いたて駄々をこねて許してもらおうとするスティーブンの幼児性。

ここで推理。
彼の虚言癖は(たぶん)両親を喜ばせるために幼いころから習慣的にやってきたことなのではないか。スティーブンの親は厳格で折檻も日常的に行われていかもしれない。スティーブンは親に支配され、つねに親の目を気にしながら生活しなければならなかった。そして厳格な親を喜ばせるため自分が活躍した「嘘」をつきはじめた。人は誰しも多かれ少なかれ他人によく思われたいために嘘をついた経験を持っているだろう。いわゆる「虚勢を張る」というやつだ。スティーブンにとってそれが日常だったのだろう。その癖は社会に出て記者になったあとも変わらなかった。この事件はその悲劇(喜劇?)の結末だった。

演出のほうも結構しゃれてて、はじめ悪役として登場する新編集長のチャックとスティーブンが対称的にかつオーバーラップして描かれるラストは、二人の立場がクロスオーバーしていき印象的だった。

チャック役のピーター・サースガード(Peter Sarsgaard)が個人的によかった。

虎か猫か

昨日、ホリエモンこと堀江貴文氏の上告が棄却され収監が決まった。その記者会見が自由報道協会で17時から行われた。くわしくはこちら↓

●ニコニコニュース【堀江貴文被告緊急記者会見】http://news.nicovideo.jp/watch/nw56797

そして偶然か狙ったのか最高裁の会見も同時刻に行われた。そちらは録音・録画が許されていないらしく、弁護士の江川紹子氏のツイートでその一端を垣間見ることができる。試験運転的に可視化と自前のチェックを行う方向のようだ。

そこでちょっと個人的な感想。

堀江氏視点で見れば、これはいわば社会の集団リンチ。 「国民の敵」というレッテルを無理矢理貼られて人生を台無しにされる。不条理に。検察、とくに特捜部はおそろしい組織にしか見えない。専門家によれば、検察特捜部は「世間の空気」を読んで悪者を探している。そして、よく言われる「ストーリーをつくって」逮捕する。では「世間の空気」をつくるのはだれか? おもにマスコミだろう。マスコミの悪者叩きは異常だ。神経症気味ですらある。だれか「適当な」人物を標的にして叩く。しかも示し合わせたかのようにすべてのマスコミが一斉に! コレ気持ち悪い。

ここで思うのは、検察は「自分らの存在意義を証明しつづけなければいけない」という強迫観念を持っているんじゃないかということ。つまり国民の「正義の味方」でありつづけなければ、と。人によっては検察の独自捜査権の剥奪や特捜部の解体を言う人もいるところをみると、じつは検察の、とくに特捜部の立ち位置は不安定なものなのかもしれない。もし誰か巨大な権力者が裏にいて検察をコントロールしている、みたいな陰謀説ならわかりやすい。それなら検察が「悪の組織」だろうがなんだろうが存在しつづけるだろう。でも日本にはそんな裏の巨人は存在しないようだ。日本の検察は国民から「悪の組織」と思われた瞬間から存在があやうくなるほど「脆い存在」なのかもしれない、じつは。だから検察は「国民の空気」を読みつづけ「国民の敵」をさがしつづけた。「国民の敵」を倒しつづける「正義の味方」でありつづけるために。

しかし、ここ最近の「村木事件」などによって検察に対する信頼が揺らいできた。つまり「世間の空気」が検察を「正義の味方」ではなく「なんかこわい権力組織」と見るようになってきた。つまり本来、検察が倒すべき「国民の敵」に検察自らがなってしまったということだ。とんでもない自己矛盾。存在の危機。だから甘いとはいえ、国民の声に応じるように改革を行ったのではないか?

おそろしい虎だと思ったら怯える猫だった、と。

数あるこの国の既得権益のうち、じつは検察機構が一番もろいのか? いや、そうではないのか? もう少し様子を見守りたい。

mother #1

 私がこの世に生まれ堕ちた年、この国は未曾有の大震災に襲われた。マグニチュード9の地震と20mを超える津波。そして原子力発電所の事故。
 記録的な大地震はそれだけでかなりの被害を出したが、さらに厄介だったのは津波を発生させたことだった。津波はいくつかの街をまるごとけずりとっていった。多くの人が死んで、多くの人がいまだ行方不明のままだ。さらに津波は原子力発電所の電源を破壊した。冷却機能を失った原発は大気と土と海を放射能でよごしながら暴走をつづけた。20年たった現在でも廃炉処理はすすんでおらず、半径15km以内は立ち入り禁止区域になっている。
 その年を境にこの国はまったく別の国へ変わってしまった、と昨年ガンで死んだ父が言っていた。父によれば、地震と津波に同情して支援してくれた諸外国も原発事故の処理が長引くにつれ苛立ちと不信をつのらせていったそうだ。
 人間も国もピンチのときに本性を露にするもので、当時の政府と電力会社はもともとあった隠蔽体質をあますところなく発揮した。情報を隠し事故を小さく見せようとした。
「大事故にはならない」
「ただちに健康に影響はない」
 結果、原発事故はとりかえしのつかない状態にまで悪化し、諸外国はこの国に激しい非難をあびせたあと一斉に背中をむけた。この国を見捨てたのだ。その後は転落の一途をたどるばかりだった。
 そんななか私は生まれてしまった。父もそんな私をとても不憫に思ったそうだ。

ANGER MANAGEMENT

アンガーマネジメント……70年代にアメリカではじまった怒りの感情とうまくつきあうための心理技術。

「怒り」の感情は急に湧き出るわけではない。三段階のフェイズを経て「怒り」となる。

  1. 事象が発生(ex. 電車のなかで大声で話している人がいる)
  2. 事象に意味付け(ex. マナー違反だ)
  3. 自分の判断基準に照らす(ex. 許せない!)

3. の自分の信念のようなものをコアビリーフという。コアビリーフは人それぞれで異なる。だから、おなじ事象に出くわしても「怒る」人と「怒らない」人がいる。アンガーマネジメントの極意はこのコアビリーフを変えていくことにある。

自分のコアビリーフと相手のコアビリーフが異なり、その摩擦で「怒り」が生まれる。言い方を変えれば、「相手が自分の思い通りにならない」から「怒る」のだ。相手を変えることはほぼ不可能。変えるなら自分を変えるほうが簡単。

そして、「怒り」につながりやすい6つの考え方の傾向(クセ)がある。

  • 自分が相手にしてほしいこと(欲求)を自分の権利または相手の義務と混同する。
  • 自分の常識を世間の常識だと思い込む。
  • 相手に圧力(怒鳴る etc.)をかければ自分の思い通りになると信じている。
  • 正義のために人を裁く。
  • いい・悪いの二元論で人を判断する。
  • 自分ばかり損していると思っている。

    これらの思考を矯正する。まず共通しているのは「相手に期待しすぎる」ことだ。自分の望みを他人に求めすぎていることを改めよう。そして恫喝しても相手は余計反発するだけで自分の思い通りにしてくれないことを知ろう。

    多角的に相手を認識しよう。相手の立場に立ち、他の人の目線で事象を見る。いろいろな価値観があることを許容する。それは人格の決めつけにもある。一度「この人は○○な人だ!」思い込むとその考えを頑なに変えないことはよくある。

    なにか不愉快な出来事があったとき主語を「私」に置き換えてみる。誰かになにか不愉快なことをされたとき「あいつは○○した! あいつが悪い!」と相手の悪いところばかりを探すようになる。そこで主語を「私」に変える。「○○をされて私は傷付いた」とする。そうすることで問題を自分のものにできる。これは具体的な方法だし効果があると思われる。

    ごきげんな自分を演じる。「行動が感情をひっぱる」というのは行動心理学のセオリーだから、これは期待できる。簡単だし。

    最後に、自分にも期待しすぎない。自分が自分に裏切られたときも「怒り」は生まれ、その「怒り」は自分に向けられる。「怒り」をコントロールしようと頑張っているとき、もしイライラしてしまったとしても自分を責めるのはやめよう。「怒り」の感情をすべて消滅させることはできない。イライラする自分に寛容になろう

    ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.



    映画内にでてくるいろんな場面が震災後の「今」と妙にシンクロする。使徒に破壊される街。セカンドインパクト後の人類の生活。そしてエヴァの存在。

    本来人類の手に負えないシロモノをコントロールしようとする傲慢さ。それが「暴走」したときの人智の無力さ。まさに「今」そのものじゃないか!

    震災前と震災後でかわってしまった。モノの見方が。果たして、続編「Q」はどのようになるのか? そして僕自身はそれをどう受け止めるのだろうか?

    もう震災前にはもどれないんだなぁ、としみじみ。

    オーケストラ!

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    2009年フランス作品。舞台はロシア。かつてボリショイ楽団で主席をつとめた天才マエストロ、アンドレイ・フィリポフはいまでは清掃員にまで落ちぶれていた。あるときパリのシャトレ座からボリショイにオファーのFAXが届く。それを見たフィリポフは楽団になりすましてパリでコンサートを行うことを決意する。彼同様に落ちぶれている昔の仲間を集めるが……。

    と、ここまでだとドタバタなコメディ映画を想起するだろう。たしかにおおまかなテイストはその路線だが、フィリポフが落ちぶれた理由がソ連時代の圧政にあることがわかるあたりから、物語は徐々に深みを増していく。

    フィリポフはシャトレ座でやる演目にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を選び、そのソリストにスター・ヴァイオリニストであるアンヌ=マリー・ジャケを指名する。なぜかフィリポフはヴァイオリン協奏曲とアンヌにこだわる。

    そして、ラスト15分の演奏シーンにすべてが集約される。なぜ一見弱気なフィリポフがこんな大胆な行動にでたのか? なぜチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でなければならないのか? なぜフィリポフはアンヌにこだわるのか? その謎が一気に提示され大きな感動におそわれる。

    ネタバレ注意!→フィリポフはけっして自分の名誉を取り戻すためにこのコンサートをしたわけではなかった! これは友人に捧げた鎮魂歌(レクイエム)だったのだ! 団員たちがアンヌをみつめる視線のなんとあたたかいことか!

    とにかくラストの演奏シーンは秀逸で、個人的にはこれほど音楽に感動し泣いた演奏シーンはない。団員すべてが共有する悲しい過去がこのシーンで昇華される様はまさに感動の一言に尽きる。超オススメ!

    THE QUEEN



    2006年イギリス映画。ダイアナ元皇太子妃の交通事故死にたいする英国王室の葛藤を描いた作品。といってもまったく重い雰囲気はなく軽快な作品。

    映画はトニー・ブレア新首相をクイーンが承認する場面からはじまるのだが、その冒頭の数分で英国の政治システム(君主制と議院内閣制)を感じることができる。英国はあくまでクイーンの所有物で、政府もクイーンの所有物。選挙でえらばられた国民の代表である首相はクイーンに仕える立場。王様と従者の関係。なんかおとぎ話みたいw。日本もおなじシステムのはずなのに、なんかカタチだけ輸入して中身は別物のような……。

    ほかの国からみれば伝統と合理性を重んじる英国の国民性は憧れの対象なんだけど、どの国だっていろんな問題をかかえている。

    ダイアナの死にたいして王室は沈黙をつづける。それは王室以外の者にたいする王室のしきたり・伝統に則った行動だったのだが、それが国民の批判を買い君主制廃止の声まできこえてくるようになる。

    当たり前のことだけど、英国にも王室を馬鹿にする人はいるわけで、とくにリベラルはその傾向がつよいよう。で、リベラルの代表でもあるブレアがどうするかって展開になるわけだが……。

    クイーン役の Helen Mirren がとにかくイイ! エリザベスⅡ世を気高くかつキュートに演じている。この時代に君主であることの覚悟を感じることができる(わが国の皇族にもおなじものを感じます。あくまで個人的見解( ̄ー ̄)ゞ)。

    そしてブレア首相役の Michael Sheen 。「この顔どこかで見たことあるなぁ……」とおもったら『アンダーワールド』で狼男族のリーダー役の人だ! イイ顔してる。

    なにより映画としてテンポ感があってユーモアもあって気持ちのいい映画。見ていて飽きません。良質です。

    日本沈没

    3.11の東日本大震災から約一ヶ月が経つ。

    震災直後にはいくらか期待をしていた。この日本という国に。古ぼけたシステムを捨てて新しく生まれかわれるんじゃないかと期待した。でもダメみたい。

    官僚は、被災者の救済よりも自分の所属している組織の損得を重視する。政治家たちはおどろくほど存在感がなく、気がつけば政局などを踊っている。福島の一帯は人の立ち入ることのできない地域になるってえのに、東電ときたら損害賠償をシブり会社の有利になるように仕向けようとしている。マスコミはいまだ記者クラブに執着してぬるい報道をつづけている。こんな時期にも関わらず、人口も多く社会を担っているはずの20、30、40代の半数が選挙で不投票する。

    なにもかもが見事に震災前と変わってない。そして今後も変わらないだろう。戦後の復興のような奇跡は起こらなさそうだ。日本という国はこのまま沈んでいくだろう。まさに日本沈没だ。二流、三流の国になっていくだろう。もう覚悟が必要だ。先進国から降りる覚悟が。

    うん。それでもいいと思う。たくさんのモノを失って、そこから本当に価値あるモノをみつけられるなら。

    JavaScript 規約〈改定〉

    名前のルールを改める。

    ファイル名
    すべて小文字で表現する。単語をつづける場合はアンダーバーでつなげる。


        name_name


    定数
    JavaScriptの性質上、純粋な定数はない。すべて大文字で表現する。単語をつづける場合はアンダーバーでつなげる。var宣言なし。


        NAME_NAME


    変数・関数
    lowerCamelCase方式。頭文字は小文字。インスタンス変数のときは先頭にアンダーバーをつける。


        nameName  // 変数または関数(メソッド)。
        _nameName  //インスタンス変数。


    オブジェクト
    UpperCamelCase方式。頭文字は大文字。


        NameName

    Prototype & script.aculo.us ―JavaScriptライブラリによるAjaxアプリケーション開発

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    JavaScriptの超有名ライブラリPrototype、その親戚で視覚効果ライブラリのscript.aculo.usのリファレンス本。いまさらの感もあるが、ちゃんと知りたくて買ってしもた。

    Prototypeの様々な機能拡張はユーザビリティを格段に向上させてくれる。$(ドル)関数だけでもつかう価値ありますな。個人的にはとくにRubyライクなイテレータが強力で好き( ̄ ̄ー ̄ ̄)V。で、じつはPrototypeってヤツは「JavaScriptをRubyみたくしたい」て動機からはじまってたのね。そりゃ似てるわけだ\(・ω・)/イイジャナーイ。

    それ以外ももちろん強力で、DOMやAjaxの操作もさすがのPrototype。ま、これがPrototypeのウリであり代名詞だものね。

    その他にもイベントやタイマーなど気になるものが盛り沢山。でもクラスや継承はつかわないな。Good Partsのほうをつかいますな。あとJSON関連もネイティブのJSON.parseとJSON.stringifyで充分では?

    script.aculo.usはボクにはまだ必要性がひくいのでボチボチと、すね。

    『パイルドライバー』

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    『くつやのねこ』とは正反対なこちら。絵も話もダイナミック! こういう絵はなかなか描けないなぁ……。

    忌野清志郎が「これぞロックだ!」と推薦している。v( ̄Д ̄)v イエーイ

    『くつやのねこ』

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    とてもたのしい絵。作者がたのしんで描いてる「空気」が感じられた。絵はたのしく描かなきゃね。+(0゚・∀・) + テカテカ +

    鉛筆と色鉛筆と絵の具(アクリル or 水彩)で描かれてる? 動物とか建物とかの「カタチ」がファンタジーちっく。とても参考になった。

    ガッカリするのはもうやめよ

    昨日は動揺したり混乱したりしたけど、それはまあしゃーない。人情ってもんよ。

    でも、もうガッカリするのはやめよ。きっと「悪意」はない。能力が「足りない」だけ。せまい世界の限らせた価値観しか知らないだけ。そこを指摘してる人もいっぱいいるし、怒っている人もいっぱいいるし、彼らを信じている人も多少はいる。自分もいっしょになって怒ったりガッカリしたりすることもない。それが「役割」の人たちに任せよう。マスコミやマスコミを追求する人たちに任せよう。

    「世界基準」の人たちが少なからず表舞台に出てきているしな。その人たちに任せよう。んで、各々が各々の役割を果たせばいい。

    にしても、サッカーのチャリティーマッチよかったな。決定が早かった。日本サッカー界は歴史浅いのに組織が成熟している気がする。やっぱりサッカーは国内で完結することが許されない文化だから「世界基準」にならざるを得ないもんな。 それが成熟しているように見えたんだな、きっと。

    closeな組織は腐りやすいんだろうな。openにして摩擦に晒されないと成熟されないんだろうな。たぶん。

    TOO LITTLE, TOO LATE

    3月16日の孫正義氏のtweet。
    現在、日本は歴史上最大の危機に瀕している。東電や政府の方々は、対応が後手に廻らない様にお願いしたい。 too little, too late これが日本の一般的ミスの共通点だ。 今回は、場合によっては千万人単位の人命がかかっている。
    残念ながら氏の不安が的中してしまった。

    今晩とうとう原発ちかくの土からプルトニウムが検出された。さらに汚染された水が施設外に流出し、下手したら海に流れてしまいそうな状況。

    不安と苛立ちが蔓延してきた。twitterでも震災当初のほうが前向きな発言が多かった。いまでは失望と逆ギレなtweetが多くなってきた。

    この先どうなっちゃうんだろ? それとも転換期なんだろうか? いい方向へむかっているんだろうか?

    (まだまだ限定的だけど)記者クラブに海外メディア、インターネットメディア、フリー記者が入れるようになったり、テレビ局がニコ動やUSTやtwitterなどのソーシャル・メディアとクロスオーバーしたりと、明るい兆しも見えていたのに……。

    今回の政府と東電の原発の対応にみんなが不安や苛立ちを感じているのは、その背後に旧態然とした「癒着」や「馴れ合い」の構造を感じているからだろう。国民の命よりもメンツや縄張りを優先していると感じているからだろう。「この期に及んでもういい加減にしてくれ!」ってみんな思ってるんだな、きっと。

    この対応のまずさは「個人の無能さ」だけで片付けるのはあまりにも、な感じ。たしかに民主党の政治家たちの「素人っぽさ」は感じるし要因のひとつではあるんだろうけど、もっと根本的なシステムの欠陥があるんじゃなかろうか。たとえば「中央」の図体がデカすぎて、動きがノロいとか指示系統が複数できてしまうとか。

    マスコミが健全に機能することを期待してもいいのかな? 東京でデモは起きるかな? 前衛な政治家や官僚が政府内部に入り込んだりしないかな? この大惨事を機に「日本」て国が成熟した民主主義国家にならないかな?

    Massive Earthquake

    3月11日の震災から二週間。状況は落ち着くどころかいろんな問題が次々と起きている。とりあえず目下の問題を箇条書き。

    被災地
    いいかげん我慢の限界にきている。一刻もはやい救済が必要。にもかかわらず、政府じれったい。素人なのか? いまこそ超党派で挑まないといけないときじゃないのか? メンツより被災者のことをまず!

    原発・放射能
    原発はまだまだ落ち着かない。予断を許さない状況はつづく。冷却し、放射能の流出を抑え、施設の整理までやらないと解決したことにならない。いつまでかかるか科学者でも予測できないとのこと。原発地域の避難勧告の問題もひどい。もっと迅速に対応できないのか。

    今後、日本は放射能とつきあっていかなければならない。それは覚悟しなければならない。でも人体に影響はないレベルということもきちんと理解しなければならない。

    電力
    計画停電。とくに夏場の電力不足は避けられない。短期には火力の復旧などの応急処置的な電力確保しかのぞめない。一番の問題は計画停電を一ヶ月行うと一兆円の損害が出ること。経済が落ち込めば復興もままならなくなること。じつはこれが一番おそろしいことかも。

    ×     ×     ×     ×     ×

    どうしようもないこと、長期的に取り組まなければならないこと、それとは別に迅速にやらなければならないことがあるはず。それができていない。政治がのろい。それをせっつく役割のマスコミが機能していない。

    いままさに国民全員一致団結するとき。なのに肝心の政府とマスコミがまだ日常をひきづっている。まだ眠ってる。そのことに気づいていない。はやく古い体質を捨てて、はやく目を覚ますことを祈る。

    『虐殺器官』伊藤計劃

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    ひさしぶりに、というよりはじめてSF小説を読んだ。読み切った。これまではSFは途中で挫折してきたから……。

    感想を言ってしまえば、スゲーおもしろかった! とても魅了された。引き込まれた。まず、この作者の知識量がすごかった。軍事から文学から哲学から歴史からとその守備範囲も広い。SF小説家ってこんなに賢いのかぁ……。

    小説内のテクノロジーが明日にでも実現できそうだと感じるのは、人類のテクノロジーがすでに頭打ちのレベルまできてるからなのかな?

    「言語」がこの小説の重要なテーマになっているのだが、自分も最近言語に興味をもちはじめたので「シンクロしてるな」とおもった。プログラミング言語が興味の発端で、いまでは実際の言語(英語とか)にも興味がある。言語って文法とか非常にロジカルなのに、同時にとても柔軟に変化できるところがおもしろいなぁ、とおもう今日この頃。

    そしてなによりこの作家の文章がいい。描写。比喩。これもいわゆる「村上春樹以後」の世代だから? 読んでて「SF界の村上春樹か」と思った。SF小説の文章ってなんとなくつまらない印象があるから。これは私の偏見か( ̄▽ ̄;A フキフキ。

    残念ながらこの小説を書いた伊藤計劃はすでに亡くなっている。小説家としての活動期間も短く、その作品は三冊とすこし。偉大な才能なのに惜しいことです。

    個人的な収穫は、いままで気にも止めてなかったSFに興味が出てきたことですな。

    MEDIA LITERACY

    メディア・リテラシー
    " 情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと "(Wikipediaより)

    今回の災害で情報の集め方、扱い方をたくさん学んだ。

    まず、一番最初に痛感したのは、携帯電話や携帯メールなどの専用回線の脆弱さだった。携帯電話は当然のように通じず、携帯メールも受信できない、発信できないといった状態になった人が多かった。

    そこで安定していたツールはtwitterとGmailだったそうだ。 これらは(サーバが海外にあるということもあるだろうが)クラウド技術の優位性を証明した。真剣にスマートフォンに乗り換えようと思った。そして、周りの人たちにもスマートフォンにしてtwitterのアカウントをとるように「布教」しようと思った。

    扱い方については、まず普段からインターネットで情報を集めている人は、テレビや新聞といったマスコミに懐疑的な傾向がつよい。それが今回の地震でさらに助長されたように思う。全体数も増えたように感じる。

    しかし同時に、今回はtwitter上でのデマもたくさん横行した。自分もいくつかのデマに(精神的に)振り回された。今後、もっと情報を見定める「眼力」を鍛えなければ。でもソーシャル・メディアのすぐれている点は、デマが訂正されるスピードも速いところだから、ちゃんと情報を追えばデマに振り回されることはそんなにないはず。

    ソーシャル・メディアとテレビ新聞etc.のマス・メディアの比率は拮抗してくるだろう。情報格差も広がっていくだろう。テレビ新聞の役割もかわってくるだろう。そのとき「識字力(literacy)」が大切になる。感情でなく理性で情報を扱えるように。

    「求めよ! さらば与えられん!」

    ブラウザ上でMax/MSPみたいなことやりたいと思ったが、HTML5やJavaScriptじゃ音を演算したりするのは無理なことをすぐに思い出す。となると、iPhoneアプリでそれをつくるか。てことはObjective-Cか。Objective-CならCoreAudioとか操作できるようだな。でもそうするとまたあらたに言語を勉強しなきゃならんのか。トホホ。Rubyつかいたいな。RubyでCoreAudioを操作できないのかな? おや? なんだこれは?

    てことで、RubyCocoaなる存在を知る。

    「求めよ! さらば与えられん!」

    これでつながった。

    話変わって、デザイン・パターン。前回、JavaScriptでシングルトンを実装したので、この際他のパターンもやってみようかとすこし思った。が、やっぱやめた。

    デザイン・パターンのほとんどは設計コンセプトであって、テクニック的には「継承」「委譲」「ポリモーフィズム」しかをつかってないともいえる。構造的に例外なのはPrototype、Iterator、Singletonパターンくらいか?

    PrototypeパターンはJavaScriptそのものだし、Iteratorパターンならprototype.jsからRubyライクで上質なイテレータが提供されてる。だからSingletonパターンさえクリアすればよかったのだ。あとは設計コンセプトだから適切なパターンを適切なところでつかえばいいと。

    そういうことにしようよ。ヽ( ̄ー ̄ )ノ

    オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン
    エリック ガンマ ラルフ ジョンソン リチャード ヘルム ジョン ブリシディース
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    Singleton : JavaScript

    数ある中から下のページを参考にしました。一番スマートと思います。ちょっとGood Partsっぽくアレンジ。Wikiはシングルトンの説明に。

    KAI.JAEGER : The singleton design pattern in JavaScript
    Singleton パターン - Wikipedia

    var Singleton = function () {

        var instance = null;
       
        var Constructor = function () {  // コンストラクタ。プライベート関数
            var that = {};  // ここにパブリックメソッドを収納
            var id = Math.random();  // IDを乱数にする
            that.getId = function () {
                return id;
            };
            return that;
        };
       
        return new function () {  // staticなメソッド
            this.getInstance = function () {
                if (instance === null) {  // ヌルならコンストラクタを代入
                    instance = Constructor();
                    instance.constructor = null;  // たぶんnewを禁止している?
                }
                return instance;
            };
        };
    }(); // 最後の丸カッコをわすれずに!

    var i1 = Singleton.getInstance();
    var i2 = Singleton.getInstance();
    alert(i1.getId() + "\n" + i2.getId()); // おなじ乱数になる

    黒字がいわゆる「The Good Parts」的な部分で、それを赤字の部分でラップすればシングルトンが実装できる。

    後半の "return new function ()〜" と一番最後の丸カッコ "()" のコンビネーションでstaticなメソッドを実現している模様。"instance.constructor = null;"  はnewを禁止しているのか? この行があってもなくても挙動が変わらないようなんだけど……よくわからない。

    Rubyのようにincludeしただけでシングルトンを実装できるような仕組みをつくれればいいんだが、自分にはひらめけない。上記のサイトではシングルトン化する関数を試みているが、グローバル変数をつかっているからなぁ……。

    でもこれだけでも充分スマートだし満足してるぅ。ヽ(´▽`)/〜♪

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    ゆかいな世界

    ヒエラルキー ぼくはアナーキスト
    コトバ遊び 不埒な詩人
    眠るように 逝ったあの日
    ぼくは妙に しらけちまった

    ゆかいな世界を
    ゆかいな未来を

    シンメトリー やぶれた街
    にげたいのに かまってほしい
    ふくれあがった ユメマボロシ
    きみのなかに 挿れて楽しむ

    ゆかいな世界を
    ゆかいな未来を
    脈絡のない希望に
    閉ざされた夢のつづき
    われら永遠のこども

    ゆかいな世界 (demo) by teruo-ooiwa

    NHKの革命

    3月10日(木)のNHK『クローズアップ現代』でインターネット放送を取り扱った。しかもニコ動とコラボ企画らしい。これはとても革新的なことだ。

    放送のなかで「テレビ報道への不信感が高くなっている」とか、テレビを否定するような内容をそのままストレートに流していた。これはすごい。マジで感動して泣いた(T ^ T)。

    放送後、この企画のプロデューサーとディレクターがニコ動に生出演した。これもかなり画期的なことだ。こんなことを「あの」NHKがまっさきにやりだすなんて! たしかにNHKの番組ってシュールなもの多いし、けっこうアバンギャルドな組織なのかもしれない。こういう変動の時代に対応できる組織なのかもしれない。

    それに比べて民放の不甲斐なさ。ダメだな。民放のほうが保守的なんだ。きっとNHKが一番危機感を感じているのだろう。インターネットの脅威を。津田氏が「これを見た民放の人たちは青ざめているでしょう」と言っていたのは的を得てる。スポンサーのしがらみもなく、上層部の頭も柔軟で、こんな革新的なことをやってのけられるNHKは最強だ!

    テレビとインターネットメディアの共生を模索しだしたNHKを、民放も今後無視できないだろう。

    最近、革新的な人がインターネット界隈にあらわれ出している。現状の腐敗したシステムに批判的な人が。しかも同時期に一斉に! これは偶然? それともなにかが起きはじめているのか?

    もしかしたらかれらは維新の志士かもな。いいね。どんどん変わってしまえばいい。

    JavaScript 注意事項

    コメント

    //のみ使用。日本語でコメントする場合は「、」「。」で終わらせること。それ以外の日本語で終わらせると原因不明の不具合が起きることがある。

    比較

    ==と!=は強制的な型変換をおこなう。
    ===と!==は型変換をおこなわない。
    ==と!=はつかわず、===と!==をつかうことをすすめる。

    あえて、型変換をおこなう場合は
    (foo != 0)書くかわりに、(foo)
    (foo == 0)書くかわりに、(!foo)
    と書く。

    禁則事項

    evalとvoidはつかわない。

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    JavaScript 規約③

    アクセス制限・protected

    オブジェクト内で宣言された変数は子クラスでもアクセスできない(private)。
    thatに格納されたメソッドなどはどこからでもアクセスできる(public)。
    外からはアクセスされたくないが、継承先でつかいたいメソッドを定義できる(protected)。格納するハッシュオブジェクトの名前はmyとする。


        var Animal = function (name, my) {  //親クラス
            my = my || {};  //myを設定。なければハッシュを代入
            var _name = name, that = {};

            //myにgetNameメソッドを格納する
            my.getName = function () {  //protectedなメソッド
                return _name;
            };
            that.say = function () {
                return "Hello! My name is ";
            };
            return that;
        };

        var Cat = function (name, my) {  //子クラス。Cat
            my = my || {};
            var that = Animal(name, my);
            var superSay = that.superior('say');
            that.say = function () {
               return superSay() + my.getName() + "! Meow!!";
           };
           return that;
        };

        var Dog = function (name, my) {  //子クラス。Dog
            my = my || {};
            var that = Animal(name, my);
            var superSay = that.superior('say');
            that.say = function () {
                return superSay() + my.getName() + "! Vow wow!!";
            };
            return that;
        };

        var cat = Cat("Liz");
        var dog = Dog("Tom");
        var cat_word = cat.say();   //cat_word => "Hello! My name is Liz! Meow!!"
        var dog_word = dog.say(); //dog_word => "Hello! My name is Tom! Vow wow!!"
        dog.getName();                  //アクセスできない


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    JavaScript 規約②

    継承

    thatに親クラスを代入することで継承をおこなう。


        var Animal = function (name) {    //親クラス
            var _name = name;
            var that = {};
            that.getName = function () {
                return _name;
            };
            return that;
        };

        var Cat = function (name) {    //子クラス
            var _name = name;
            var that = Animal(_name);
            return that;
        };

        //メソッドgetNameは子クラスで定義しなくても
        //親クラスから継承されている
        var cat = Cat("Liz");
        var name = cat.getName();    //name => "Liz"


    オーバーライド

    メソッドはオーバーライド(上書き)することもできる。


        var Animal = function (name) {    //親クラス
            var _name = name;
            var that = {};
            that.getName = function () {
                return _name;
            };
            that.say = function () {
                return "Hello! My name is " + _name + "!";
            };
            return that;
        };

        var Cat = function (name) {    //子クラス
            var _name = name;
            var that = Animal(_name);
            that.say = function () {    //オーバーライド
                return "Hello! My name is " + _name + "! I'm cat!!";
            };
            return that;
        };

        var cat = Cat("Liz");
        var word = cat.say();    //word => "Hello! My name is Liz! I'm cat!!"


    オーバーライドされても継承元(親クラス)のメソッドを呼び出すことも可能。そのためにはまず以下の準備をしておく。


        //第一引数の名前のメソッドを拡張する
        //すべての関数で利用できる
        Function.prototype.method = function (name, func) {
            this.prototype[name] = func;
            return this;
        };

        //継承元のメソッドを呼び出すメソッドを拡張
        Object.method('superior', function (name) {
            var that = this, method = that[name];
            return function () {
               return method.apply(that, arguments);
            };
        });


    よりクールに書き換えられる。


        var Cat = function (name) {    //子クラス
            var _name = name, that = Animal(_name);

            //あらかじめ継承元のメソッドをセットしておく 
            var superSay = that.superior('say');
            that.say = function () {    //オーバーライド
                return superSay() + "! I'm cat!!";
            };
            return that;
        };

        var cat = Cat("Liz");
        var word = cat.say();    //word => "Hello! My name is Liz! I'm cat!!"


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    JavaScript 規約①

    以下に、JavaScriptのコーディングを統一するためのルールを提示する。

    名前のルール

    ①変数……すべて小文字で表現する。単語をつづける場合はアンダーバーでつなげる。


        name_name


    ②定数……すべて大文字で表現する。単語をつづける場合はアンダーバーでつなげる。var宣言なし。


        NAME_NAME


    ③インスタンス変数……先頭にアンダーバーをつける。すべて小文字で表現する。単語をつづける場合はアンダーバーでつなげる。


        _name_name


    ④オブジェクト……頭文字のみを大文字にする。単語をつづける場合も頭文字を大文字にする。


        NameName


    ⑤関数・メソッド……はじめの単語は小文字で、単語をつづける場合はそれ以降の単語の頭文字を大文字にする。


        nameName



    オブジェクトの定義と生成(関数型)

    オブジェクトとは、複数のデータの塊である。くわえて、データを操作するAPI(メソッド)を提供する。

    オブジェクトの定義には関数型を採用しこれに統一する。変数(var宣言)に関数(function文)を代入することで定義する。


        var Vector = function () {};  //代入なので最後にセミコロンをつける
        var v = Vector();                   //インスタンス生成。()をつける


    オブジェクト内で定義する変数(データ・プロパティ)はすべてprivateとする。つまりvar宣言する。そして、慣習により先頭にアンダーバーをつける。


        var Vector = function (x, y) {    //二次元ベクトルのオブジェクト
            var _x = x, _y = y;              //まとめて宣言可
        };
        var v = Vector(2, 4);                //インスタンス生成


    しかしこのままではデータを保持してるだけで操作できない。データを操作するためのメソッド(API)を用意する。メソッドはハッシュ(連想配列)のなかに格納し、returnで返す。これによりpublicなメソッドになる。格納するハッシュオブジェクトの名前はthatに統一する。


        var Vector = function (x, y) {
            var _x = x, _y = y, that = {};    //thatに空のハッシュを代入

            that.getX = function () { return _x };    //ゲッタメソッド
            that.getY = function () { return _y };    //内部データを取得

            that.setX = function (x) { _x = x };       //セッタメソッド
            that.setY = function (y) { _y = y };       //内部データを設定

            return that;
        };
        var v = Vector(2, 4);
        var x = v.getX();    //x => 2
        var y = v.getY();    //y => 4
        v.setX(5);
        v.setY(8);
        x = v.getX();    //x => 5
        y = v.getY();    //y => 8



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