「怒り」の感情は急に湧き出るわけではない。三段階のフェイズを経て「怒り」となる。
- 事象が発生(ex. 電車のなかで大声で話している人がいる)
- 事象に意味付け(ex. マナー違反だ)
- 自分の判断基準に照らす(ex. 許せない!)
3. の自分の信念のようなものをコアビリーフという。コアビリーフは人それぞれで異なる。だから、おなじ事象に出くわしても「怒る」人と「怒らない」人がいる。アンガーマネジメントの極意はこのコアビリーフを変えていくことにある。
自分のコアビリーフと相手のコアビリーフが異なり、その摩擦で「怒り」が生まれる。言い方を変えれば、「相手が自分の思い通りにならない」から「怒る」のだ。相手を変えることはほぼ不可能。変えるなら自分を変えるほうが簡単。
そして、「怒り」につながりやすい6つの考え方の傾向(クセ)がある。
- 自分が相手にしてほしいこと(欲求)を自分の権利または相手の義務と混同する。
- 自分の常識を世間の常識だと思い込む。
- 相手に圧力(怒鳴る etc.)をかければ自分の思い通りになると信じている。
- 正義のために人を裁く。
- いい・悪いの二元論で人を判断する。
- 自分ばかり損していると思っている。
これらの思考を矯正する。まず共通しているのは「相手に期待しすぎる」ことだ。自分の望みを他人に求めすぎていることを改めよう。そして恫喝しても相手は余計反発するだけで自分の思い通りにしてくれないことを知ろう。
多角的に相手を認識しよう。相手の立場に立ち、他の人の目線で事象を見る。いろいろな価値観があることを許容する。それは人格の決めつけにもある。一度「この人は○○な人だ!」思い込むとその考えを頑なに変えないことはよくある。
なにか不愉快な出来事があったとき主語を「私」に置き換えてみる。誰かになにか不愉快なことをされたとき「あいつは○○した! あいつが悪い!」と相手の悪いところばかりを探すようになる。そこで主語を「私」に変える。「○○をされて私は傷付いた」とする。そうすることで問題を自分のものにできる。これは具体的な方法だし効果があると思われる。
ごきげんな自分を演じる。「行動が感情をひっぱる」というのは行動心理学のセオリーだから、これは期待できる。簡単だし。
最後に、自分にも期待しすぎない。自分が自分に裏切られたときも「怒り」は生まれ、その「怒り」は自分に向けられる。「怒り」をコントロールしようと頑張っているとき、もしイライラしてしまったとしても自分を責めるのはやめよう。「怒り」の感情をすべて消滅させることはできない。イライラする自分に寛容になろう。
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