Happinet(SB)(D) (2010-11-04)
売り上げランキング: 797
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2009年フランス作品。舞台はロシア。かつてボリショイ楽団で主席をつとめた天才マエストロ、アンドレイ・フィリポフはいまでは清掃員にまで落ちぶれていた。あるときパリのシャトレ座からボリショイにオファーのFAXが届く。それを見たフィリポフは楽団になりすましてパリでコンサートを行うことを決意する。彼同様に落ちぶれている昔の仲間を集めるが……。
と、ここまでだとドタバタなコメディ映画を想起するだろう。たしかにおおまかなテイストはその路線だが、フィリポフが落ちぶれた理由がソ連時代の圧政にあることがわかるあたりから、物語は徐々に深みを増していく。
フィリポフはシャトレ座でやる演目にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を選び、そのソリストにスター・ヴァイオリニストであるアンヌ=マリー・ジャケを指名する。なぜかフィリポフはヴァイオリン協奏曲とアンヌにこだわる。
そして、ラスト15分の演奏シーンにすべてが集約される。なぜ一見弱気なフィリポフがこんな大胆な行動にでたのか? なぜチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でなければならないのか? なぜフィリポフはアンヌにこだわるのか? その謎が一気に提示され大きな感動におそわれる。
ネタバレ注意!→フィリポフはけっして自分の名誉を取り戻すためにこのコンサートをしたわけではなかった! これは友人に捧げた鎮魂歌(レクイエム)だったのだ! 団員たちがアンヌをみつめる視線のなんとあたたかいことか!
とにかくラストの演奏シーンは秀逸で、個人的にはこれほど音楽に感動し泣いた演奏シーンはない。団員すべてが共有する悲しい過去がこのシーンで昇華される様はまさに感動の一言に尽きる。超オススメ!
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