これが小説家というものか

とうとう十二巻である。

関羽が死に、曹操が死に、張飛が死に、そして劉備も死んだ。この小説は「人の死」について書かれた小説だった。英雄たちの死が哀しくも感動的だ。「死」をこんなにも真摯に真っ向から扱った小説をはじめて読んだかもしれない。

英雄が死んでいってもまったく飽きさせない。これが小説家というものか。横山三国志であんなに退屈だった南蛮行も、逆に説得力をもたせて展開させていく。

これから先には孔明と司馬懿の対決が待っている。その対決に向けて徐々に盛り上がっている途中。

しかし、司馬懿があんな変態にキャラ付けされてるとは……。

三国志〈12の巻〉霹靂の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所
売り上げランキング: 47509
sundayjune242012

0 件のコメント:

コメントを投稿