この映画の公開時、巷では評価が賛否にまっぷたつに分かれたらしい。が、そんなこと個人的にはどうでもいい。
この映画は、すばらしい。
親って子どものためになら自分を犠牲にしてでもなんでもやろうとする。それくらい「子どもへの気持ち」って強いものだと思う。
おおかみこどもの姉弟を抱え夫に先立たれたシングル・マザー、花。世間の目からおおかみこどもを守るには都会の生活はきびしかった(露骨には描写されていないが)花の精神も病んでいく)。
そして花が選択した道は人の目のない田舎に引っ越すこと。親子三人は自然あふれる田舎に越して子どもたちはのびのびとするが、すぐにその生活は破綻する。
地元の人々の助けを借りて花たち三人はなんとか生きていく。
そして、子どもの成長と旅立ち。「親」というものの切なさに泣いた。一生懸命育てても子どもは巣立っていく。言い換えれば、巣立たせるために育てている。
花は完璧で理想的な親として描かれていない。無知で生活力もないし、目を離してたとはいえ雪が乾燥剤を飲んでしまう事故を起こしたり雨が死にかけたりするし、子どもの希望よりも自分の感情を優先させて子どもの夢をはばもうとするし、「あの子を守らなきゃ」とか言って自分が死にかけるし、もうサイテー。
でも、親なんてそんなものだ。そして、子どもは必然的に親から巣立っていく。そりゃもう唐突に。悲しいってもんじゃない。でもそれが親子ってもんなんだろうな。
雪が生まれたシーンで彼(おおかみおとこ)と花が子どもの将来に想いを馳せたり、子どもの幸せを願ったりする。自分らも娘が生まれたとき同じことしてたなぁ~と思い出した。
ま、自分が親になったからこの映画がこんなに沁みるんだろうな。
「おおかみこどもということがバレてピンチに陥る」というありがちな展開になってもおかしくないところを、そっちの方には行かず「親子」というテーマから1ミリもズレずにラストまで行ったのが個人的には良かった。
saturdayjune082013
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