複数の一人称

四巻を読了。全体の三分の一ほどまできた。

北方三国志は独特な一人称で書かれている。三人称的な一人称とでもいえばいいか。そして語り部が変わっていく。

たぶん語り部が交代していくから完全な一人称(私)ではないのだろう。そして一人称にすることで登場人物らに感情移入ができる。そこらへんが司馬遼太郎の作品とは趣きが違うところか。

三国志は登場人物が死ぬ。だから主人公を一人にしぼらず「複数の一人称」で物語を語っているのだろう。主人公が一人ならそいつが死んだら物語も終わってしまうから。曹操や劉備が死んでも孔明や仲達がいる。そうして物語はつづいていくのだろう。

それに「複数の一人称」のほうが三国志の群雄割拠の雰囲気が出ていてハマってると思う。さすが。これがプロの小説家の仕事ってやつなのだろうな。

それでもやはり曹操と劉備だ。もう一つ雄、孫家のクダリはあんまり……。

さて、この巻で徐庶が出てきて、次巻にとうとう孔明が登場するらしい。wktk

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sundaymay202012

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