項羽と劉邦

司馬遼太郎につづいて横山光輝の「項羽と劉邦」全12巻を読んだ。

司馬版で物足りなかった韓信や張良の活躍がたくさん描かれている。実際、横山版は韓信や張良が出てきてから断然おもしろくなる。とくに韓信がいかに自在に兵を動かし敵を欺き勝利していったかというのがよくわかる。

しかし登場人物の描き方は司馬版のほうが魅力があるのは確か。任侠の親分だった劉邦。頭脳はキレるが病弱で柳の葉が風に揺られるような佇まいの軍師・張良。才が走り過ぎていて忠誠心の欠片もない元帥・韓信。美男子で常識の枠から飛び出ている奇策士・陳平。

てなわけで司馬版と横山版をあわせて読むことをお薦めします。

個人的には、結局勝者が誰もいない三国志よりも「弱者が百敗しつつも最後には強者に勝つ」という楚漢戦争のほうがカタルシスを感じられて物語としておもしろいとおもった。それに登場人物もそれほど多くないので武勇は項羽、知略は張良、みたいな感じでキャラが立っているとおもう。さらに悲劇のヒロイン・虞姫や悪女・呂后まで出てくるんだから最強だ(と言いつつ横山三国志も読んでみようかな〜なんておもっている今日この頃)。

しかし、こんなことが紀元前200年に実際にあったってんだから驚きだ。そのころの日本なんてまだ弥生時代ですよ! 中国四千年の歴史はほんと偉大だな〜。

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