なんとなく借りたDVD。この映画おもしろかった。
監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督。「下妻物語」はおもしろい映画だった。
この映画「犯人探し」の推理モノではない。犯人は早い段階で判明する。この映画は復讐劇だ。しかもただ「やり返す」だけの復讐ではない。むしろ「殺さず」に一生かけて地獄の苦しみを味わわす復讐、だ。
少年法で守られた13歳の殺人犯。彼は自分の命を軽く考える。ゆえに他人の命も軽い。自己顕示欲のための殺人。さらに自己顕示欲のための自殺を企てている。そんな殺人犯を殺してもなんの復讐にもならない。
では一体どんな復讐が? 生まれもっての殺人鬼(Natural Born Killer)はいない。命を軽く考える経緯、トラウマがある。そのトラウマをさらに深く傷つけ、自責の念に苛まれた一生を送らせる。自殺の許されない環境で(例えば刑務所)。
これは、もっとも残酷な復讐に思える。
映像をまるでPVのように見せているのも、レディへなどの美しい音楽を使っているのも、「対比」によって残虐性を強調する効果を発揮している。
中島作品では「下妻~」以来おもしろかった。
wednesdaymay152013


